映画に感謝を捧ぐ! 「魔の谷」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はモンテ・ヘルマン監督の「魔の谷」に
感謝を捧げようと思います。
魔の谷 [DVD] - マイケル・フォレスト, シーラ・キャロル, フランク・ウォルフ, モンテ・ヘルマン
H・G・ウェルズの小説「蜘蛛の谷」を
もとにして作られた本作は
貪欲にして堅実な怪奇映画であります。
山系ホラー、泥棒映画、冒険映画を
力業で融合させる貪欲さと
地形効果の有効活用&物語の効率化によって
登場人物+特殊効果+物量を抑制し
省エネ&省力的映画作りを追求する堅実さが一体となった
ストーリー&演出は
私に「大衆食堂+見世物小屋的サービス精神」の醍醐味と
モンスター映画的恐怖、閉鎖系サスペンス的恐怖
異文化交流系ロマンスの共存を図る試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(謎の解明を拒み、モンスターとの対決&決着に
集中する潔さが心地良い幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級山系ホラー」の歴史に輝く
豪快作であると言えるでしょう。
小規模映画界の枠内で我が道を往く気質故に
映画ビジネス的栄光に背を向けて
「知る人ぞ知る」存在となる道へと進んだ
映画監督M・ヘルマンの「出発点」となる本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。