映画に感謝を捧ぐ! 「真人間」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はフリッツ・ラング監督の「真人間」に

 感謝を捧げようと思います。

真人間 [DVD] - シルヴィア・シドニー, ジョージ・ラフト, バートン・マクレーン, ハリー・ケリー, フリッツ・ラング
真人間 [DVD] - シルヴィア・シドニー, ジョージ・ラフト, バートン・マクレーン, ハリー・ケリー, フリッツ・ラング

 デパートで働く仮出所者たちの運命を描いた本作は

 世界の陰と陽がせめぎ合う極道映画であります。

 泥棒映画的スリル&サスペンスと

 

 人情劇的ロマンス&人間模様

 技巧的映像表現と教訓劇的メッセージ性

 理論と魂がぶつかり合う

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「娯楽映画要素と社会風刺要素の両立」と

 犯罪の虚しさを経済学的に証明する試みの

  

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (男女の愛と男同士の友情がユーモラスに並び立つ

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「心理学+経済学型犯罪論」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 F・ラング監督ならではのサスペンス技法と

 変化球的な発想で「犯罪計画&前科者の苦悩」を

 写し出す作劇法が融合することによって生じる

 科学反応によって

 人間の良心に対する信頼と

 極道組織の非情さを世に示した本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。