映画に感謝を捧ぐ! 「人生は四十二から」
人生は四十二から [DVD] - チャールズ・ロートン, レオ・マッケリー, チャールズ・ロートン, メリー・ボーランド, チャーリー・ラグルズ, ザス・ピッツ, ウォルター・デレオン, ラルフ・レインジャー
イギリスの伯爵に仕える男「ラックルズ」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
陽気でありながらも渋味の利いた人情喜劇であります。
主が「賭け事」に敗れたことによって
アメリカ人に仕える事となったイギリス人召使いの旅を通じて
ヨーロッパ貴族文化とアメリカ大衆文化の
せめぎ合い&融和を描くという発想と
日常劇+ドタバタ喜劇的な作劇法&映像技によって
形成されたストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「軽快さと上品さの均整を保つ」喜劇技と
経済的成功者となった人間特有の
「権威への憧れ」に対する皮肉と
アメリカ精神礼賛的メッセージを映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「新たなる人生の旅」へと向かう主人公&ヒロインと
彼を祝福する人々の姿を
能天気さと品位を両立させながら描いていく
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ドタバタ喜劇型異文化交流劇」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
アメリカ人がヨーロッパ文化に抱く複雑な思い
異文化交流劇の王道
L・マッケリー監督の持つ豪快なるポジティブ精神が
交わることによって生を受けた本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。