映画に感謝を捧ぐ! 「いのちの食べかた(2005年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はニコラウス・ゲイハルター監督の

 「いのちの食べかた(2005年版)」に感謝を捧げようと思います。

いのちの食べかた [DVD] - ニコラウス・ゲイハルター
いのちの食べかた [DVD] - ニコラウス・ゲイハルター

 「食材加工」に関する一部を記録した本作は

 クール且つ過激な目線で「食と人間&技術の関係」に

 迫る記録映像であります。

 台詞による状況設明&情緒への傾倒を拒みつつ

 食材生成の舞台裏を静かに映しだしていく映像が

 「食事」の獣性&テクノロジーによって生み出された

 快適さに潜む魔性をえぐり出す光景は

 私に「人間社会」に宿るホラーの種子と

 映像によって言葉以上のメッセージを放つ

 記録映像作りの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (洗浄が「真実の隠蔽」という顔を持っていることを

 示すかのような妖気を放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「食材生成工程入門」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 和やかな風景美、怪奇的残酷性、社会風刺風味

 記録映像技法が一堂に会し

 テクノロジーの持つ冷徹さ&食事の暴力性を

 白日の下にさらすという

 大胆不敵さに圧倒される本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。