映画に感謝を捧ぐ! 「モヒカン族の最後(1936年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョージ・B・サイツ監督の
「モヒカン族の最後(1936年版)」に感謝を捧げようと思います。
モヒカン族の最後 [DVD] - ランドルフ・スコット, ビニー・バーンズ, ヘンリー・ウィルコクソン, ジョージ・B・サイツ, ランドルフ・スコット
ジェイムズ・フィニモア・クーパーの
同名小説をもとにして1936年に作られた本作は
西部劇映画史の「過渡期」を象徴する作品であります。
トーキーとサイレントの手法を融合させ
正統派アメリカ西部劇的先住民認識に
近しい形で「モヒカン族の最後」を映像作品化するという試みは
私に風刺性と娯楽性のせめぎ合いと
「映像作品史」の過渡期に立つ作品が抱える葛藤の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(原作&1921年版の持つ悲劇性を継承しつつ
アメリカ西部劇的ハッピー・エンドに寄り添うかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに、トーキー+娯楽西部劇型「モヒカン族の最後」の
称号にふさわしい作品であると言えるでしょう。
「白人の思惑に翻弄されるアメリカ先住民の悲劇」を
題材とした作品に
アメリカ西部劇特有の「白人=正義、先住民=悪」という
図式をはめ込むという荒業によって生を受け
「モヒカン族の最後」が様々な形で
映像作品化されるための道を切り開いた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。