映画に感謝を捧ぐ! 「ダムド 呪いの墓場」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヴィンス・ディ・メッリオ監督の
「ダムド 呪いの墓場」に感謝を捧げようと思います。
ダムド 呪いの墓場 [DVD] - マイク・ピーターズ, ヒューゴ・アームストロング, ティファニー・ベイカー, ジェフ・コートニー, チャーリー・フィネリー, オードリー・ロウ, ギル・ラスムッセン
大統領候補襲撃事件に巻き込まれた夫婦と
彼らを護衛する事になったFBI捜査官の
運命を描いた本作は
壮絶にして技巧的な「ジャンル侵略」に
驚かされる怪作であります。
テロ対策映画の気配漂うストーリー&演出と
キャラクター造形がホラー映画要素によって
乗っ取られていく光景は
私に「葛藤」に満ち溢れた作劇法&映像技と
自分たちの常識&知識に基づく判断が
超常的な恐怖によって揺らいでいく恐怖を
映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(当初の目的&政治的背景を忘却の沼へと沈め
スケール感を極限まで抑制したハッピー・エンドへと
着地する姿がサスペンス映画的どんでん返しとは
一味違う驚きを放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ストーリー&演出内戦型映画」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
テロ&暗殺への恐怖が怪奇現象への恐怖へと
変異していく姿をアトラクション的&記録映像的に
描いていくという実験に挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。