映画に感謝を捧ぐ! 「ふしだらな女(1928年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の
「ふしだらな女(1928年版)」に感謝を捧げようと思います。
ふしだらな女 [DVD] - イザベル・ジーンズ, フランクリン・ダイアル, イアン・ハンター, アルフレッド・ヒッチコック
ノエル・カワードの同名戯曲をもとにして作られた本作は
様々な娯楽&文学性を融合させつつ
映像で語ることを重んじたサイレント愛憎劇であります。
魅力的な風貌&性格と男性運の悪さによって
「悪女」という称号を貼られた女性の悲劇を
舞台劇文化と映像作品文化、ロマンスとスリル&サスペンス
上流社会と一般大衆を絡み合わせながら描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「娯楽&文学的異文化交流」と
「男女関係」に宿るサスペンス要素、愛と憎しみを結ぶ絆
外部の情報に縛られず「内面」で人間を判断することの難しさを
サイレント映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(自分よりも「夫とその家族の名誉」を優先させる情味と
世間が放つ好奇の目線に正面から立ち向かう
強靱さを兼ね備えたヒロインの勇姿に
心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級愛憎劇入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスケール感&スピード感の中で
A・ヒッチコック監督の得意技「巻き込まれサスペンス」と
愛憎劇の王道要素が絶妙のバランスで配合された本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。