映画に感謝を捧ぐ! 「ギリシャからの帰還」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロベルト・ロッセリーニ監督の
「ギリシャからの帰還」に感謝を捧げようと思います。
イタリア映画 コレクション 2ペンスの希望 DVD10枚組 ACC-209 - マリア・フィオーレ, ヴィンセンツォ・ムゾリーニ, ヴィットリオ・デ・シーカ, ピア・アンジェリ, ジーノ・レウリーニ, ジーナ・ロロブリジーダ, レナート・バルディーニ, シルヴァーナ・マンガーノ, ラフ・ヴァローネ, ヴィットリオ・ガスマン, ルチア・ボゼー, アンドレア・ケッキ, ジーノ・チェルヴィ, リディア・クァランテ, ウンベルト・モッツァート, アンナ・マニャーニ, マッシモ・ジロッティ, トト, マリオ・カステラーニ, イヴォンヌ・サンソン, ミケラ・ベルモンテ, レナート・カステラーニ, レオニード・モギー, ピエトロ・ジェルミ, アルベルト・ラトゥアーダ, ミケランジェロ・アントニオーニ, ジョヴァンニ・パストローネ, マリオ・カメリーニ, ルイジ・コメンチーニ, アレッサンドロ・ブラゼッティ, ロベルト・ロッセリーニ
イタリア空軍士官「ロサティ」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
連合軍と枢軸軍の戦いを
多角的且つ効率的に描いていく戦争映画であります。
軍隊の日常劇から空戦アクションへと転じた後
捕虜による道中劇→脱走劇へと向かっていく
ストーリー&演出が軽快さと渋味の均整を
保ちながら進行していく光景は
私に「複数の目線」で戦争を描いていく試みと
暇つぶし規模の枠内に複数の戦争映画特性を
詰め込む妙技の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(イタリア軍にとって好ましい状況下で物語を終了させることによって
戦争を題材としつつ「ハッピー・エンド的装飾」を
纏わせることを可能とした幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさにイタリア流「軽量級戦争要素融合型映画」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
R・ロッセリーニ監督と戦争を結ぶ「独特の絆」によって
イタリア軍礼賛風味を前面に出しつつも
敵軍の悪漢性を抑制し、様々な立場から
「ギリシャ戦線」を写し出す存在となった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。