映画に感謝を捧ぐ! 「パンドラ(1951年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアルバート・リューイン監督の
「パンドラ(1951年版)」に感謝を捧げようと思います。
パンドラ 《IVC BEST SELECTION》 [DVD] - ジェームズ・メイソン, エヴァ・ガードナー, ナイジェル・パトリック, アルバート・リューイン
ギリシャ神話に登場する女性「パンドラ」と
リヒャルド・ワーグナー作曲のオペラ
「さまよえるオランダ人」をもとにして
1951年に作られた本作は
大いなる実験精神と堅実なるサービス精神を
兼ね備えた愛憎劇であります。
ギリシャとオランダの伝説を融合させるという発想
美男美女によるロマンスの醍醐味と
主演女優E・ガードナーの魅力を引き出すことを
追求した映像技&作劇法、史劇的装飾が一堂に会した
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、おとぎ話と近代劇、怪談と恋愛悲劇が
独特のバランスで並び立つ現象と
伝承+娯楽的異文化交流の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドと悲劇が静かに絡み合いながら
伝説への思いを示すかのような幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「実験型大作系恋愛映画」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
神話&伝説への愛、科学実験精神、娯楽映画的サービス精神
文学&舞台劇精神が互いの持ち味を生かし合いながら
共存していく姿に圧倒される本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。