映画に感謝を捧ぐ! 「ウクライナ・クライシス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はイヴァン・ティムチェンコ監督の
「ウクライナ・クライシス」に感謝を捧げようと思います。
ウクライナ・クライシス [DVD] - タラス・コスタンチュク, イヴァン・ティムチェンコ, ミハイロ・ブリヌフ, タラス・コスタンチュク, スヴィトラーナ・ソロヴィヨワ, オレクサンドル・ゼムリヤニ, タラス・コスタンチュク, オレ・ドラッハ, オレクサンドル・マヴリツ, イスタン・ロズムニー, ルスラン・ソコルニク
2014年のウクライナにおける実話をもとにして作られた本作は
クールな複雑怪奇さに彩られた実話系戦争映画であります。
ウクライナとロシアによる戦争を様々な目線で描き
段階的に繋いでいくストーリーと
戦争がもたらす悲劇を
淡々と見つめていくかのような演出が一体となる光景は
私に戦争における「個人」の小ささを映画的に表現する手法と
複数人物の物語を交錯させることによって発生する
「混沌」の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(記録映像的解説&写真の数々によって
戦争が「日常の営み」となった世界で暮らす
人々の感覚を象徴するかのような幕切れ→エンドロールと
なってる点も見逃せません。)
まさに「群像劇型ウクライナ史入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
娯楽映画的状況設明&装飾を極限まで抑制し
歴史教材的クールさとウクライナ礼賛&ロシア批判要素を
重視する形で2010年代のウクライナ事情を写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。