映画に感謝を捧ぐ! 「他人の家(1949年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の
「他人の家(1949年版)」に感謝を捧げようと思います。
巨匠たちのハリウッド ジョセフ・L・マンキーウイッツ傑作選 他人の家 [DVD] - エドワード・G.ロビンソン
ジェローム・ワイドマンの小説
「”I'll Never Go Home Any More”」を
もとにして1949年に作られた本作は
様々な思い&娯楽技法がせめぎ合う家族劇であります。
勤勉且つ強権的な男が一代で築き上げた巨大銀行で
繰り広げられる家族間抗争を
舞台劇技法と映画技法、サスペンスとホームドラマ+ロマンスを
絡み合わせながら描いていくストーリー&演出は
私に「権力&財力の高まりによって人間味を失っていく」
「親を憎みつつ、親の持つ狂気性を継承してしまう」
「組織の肥大化によって時代の変化に対応できなくなる」恐怖を
映画的に表現する試みと
純文学性と大衆娯楽性による共同戦線の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(父の亡霊から解き放たれ、新たなる生を獲得した
男たちの姿を静かに映し出す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「内部抗争+愛憎系ホームドラマ」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
愛と憎しみ、過去と現在、アメリカ気質とイタリア気質
商売人精神と極道精神が壮絶且つ上品にぶつかり合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。