映画に感謝を捧ぐ! 「婦人代議士アンジェリーナ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルイジ・ザンパ監督の
「婦人代議士アンジェリーナ」に感謝を捧げようと思います。
イタリア映画 コレクション 越境者 DVD10枚組 ACC-198 - ラフ・ヴァローネ, エレナ・ヴァルツィ, ペッピノ・デ・フィリッポ, カルラ・デル・ポッジョ, シルヴァーナ・マンガーノ, アメデオ・ナザーリ, ヴィットリオ・デ・シーカ, アッシア・ノリス, ジャック・セルナス, アンナ・マニャーニ, ロッサノ・ブラッツィ, エチカ・シューロー, フランコ・インテルレンギ, ナンド・ブルーノ, ジュゼッペ・グリーノ, アイーダ・ベリア, アウグスト・バッソ, エレナ・フォンディ, ピエトロ・ジェルミ, アルベルト・ラトゥアーダ, フェデリコ・フェリーニ, ドゥイリオ・コレッティ, マリオ・カメリーニ, ウィリアム・ディターレ, ミケランジェロ・アントニオーニ, ルイジ・ザンパ, アレッサンドロ・ブラゼッティ, ロベルト・ロッセリーニ
小さな町で家族と共に暮らす女性「アンジェリーナ」と
彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
スケール感&スピード感の制御術に長けた
風刺劇であります。
家族&仲間達の生活を守るための行動が
大衆心理&上流社会の思惑によって
政治的闘争へと変異し
家庭崩壊の危機を招いてしまうという悲劇を
効率主義と見せ場主義、童話的ムードと庶民的ムード
ユーモアとシリアスの均整を保ちながら描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に日常劇の世界が「抗争劇」に飲み込まれていく現象と
風刺劇的メッセージと娯楽的サービスの両立を図る技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(サクセス・ストーリー的ハッピー・エンドに背を向けて
ホームドラマ的ハッピー・エンドを選ぶという
決断へと着地するによって
渋味と爽快感を兼ね備えた幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「女系風刺劇」史上屈指のバランス感覚に彩られた
堅実作であると言えるでしょう。
物語の進行と共にスケール感を高め
一定の領域に達した後で
段階的にスケール感を縮小していくことによって
社会、政治、ビジネスの複雑な関係
成功がもたらす精神的変化&人間関係崩壊
個人的感情と組織的立場のせめぎ合いを写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。