映画に感謝を捧ぐ! 「星を持つ男」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャック・ターナー監督の「星を持つ男」に
感謝を捧げようと思います。
星を持つ男 [DVD] - ジョエル・マクリー, エレン・ドリュー, ディーン・ストックウェル, ジャック・ターナー, ジョエル・マクリー
ジョー・デヴィッド・ブラウンの同名小説をもとにして作られた本作は
西部劇史上屈指の「作劇&演出的バランス感覚」を感じさせる一作であります。
人情劇と活劇、娯楽西部劇要素と社会派&宗教要素が
独特のバランスで共存する
ストーリー&演出、キャラクター造形が
軽快さ、穏健さ、大胆さを網羅しながら進行する光景は
私に「アメリカ史の光と闇」を西部劇的に表現する試みと
暴力を極限まで抑制したスリル&サスペンス生成術の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(町への愛情、人間性への信頼、言葉の力を駆使して
欲望&憎悪に取り憑かれた人々に立ち向かう事によって
死傷者を払うことなく平和を勝ち取る光景が
勧善懲悪的ハッピー・エンドとは一味違う
爽快感&味わい深さを感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「宗教系ホームドラマ西部劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスケール感&スピード感を保ちつつ
サクセス・ストーリーの醍醐味を網羅することへの挑戦によって
後年の娯楽&社会派映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。