映画に感謝を捧ぐ! 「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクラウス・ハロ監督の
「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」に
感謝を捧げようと思います。
ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像 [DVD] - ヘイッキ・ノウシアイネン, クラウス・ハロ, アナ・ヘイナマー, カイ・ノルトベルク, カーレ・アホ, ヘイッキ・ノウシアイネン, ピルヨ・ロンカ, アモス・ブロテルス, ステファン・サウク, ペルッティ・スヴェホルム, ヤコブ・オーマン
美術商「オラヴィ」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
娯楽的サービスと渋味が独特のバランスで配合された
家族劇であります。
サスペンス的謎解き、ホームドラマ的人間模様
絵画の魅力&魔性が静かに絡み合う
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に娯楽性と神秘性の両立を図る技法と
職業=人生となった人間の熱気&孤独を
映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ビジネスよりも芸術&家族+仲間への愛を重んじる
人々の姿をクール且つ和やかに映し出すことによって
ハッピー・エンドと悲劇が融合したかのような
気配を放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「芸術&文学系家族劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
推理小説風味、人情劇風味、美術館風味
芸術系ビジネス論風味が絡み合う本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。