映画に感謝を捧ぐ! 「国境事件」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアンソニー・マン監督の「国境事件」に
感謝を捧げようと思います。
国境事件 [DVD] - リカルド・モンタルバン, ジョージ・マーフィ, ジェームズ・ミッチェル, アンソニー・マン, リカルド・モンタルバン
アメリカとメキシコの国境で暗躍する
密入国請負組織に対する
捜査記録をもとにして作られた本作は
1947年の同監督作「Tメン」の流れを汲みつつ
よりアメリカ的な方向へと向かった
実話系潜入捜査劇であります。
アメリカ情勢とメキシコ情勢
西部劇文化と近代刑事映画文化が絡み合う
ストーリー&演出、キャラクター造形が
情緒を抑制し、クール且つ活劇的に進行する光景は
私に「男女のロマンス」を廃し
男同士の心技体を尽くした闘いに特化した
刑事映画の醍醐味と
犯罪捜査記録の娯楽映画的加工術の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(捜査官達の武勇を称えつつ
潜入任務上の機密を隠蔽した
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「アメリカ流対不法入国捜査伝」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
堅実派の強豪A・マン監督の技と
アメリカ&メキシコを蝕む病理の一つが
融合することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。