映画に感謝を捧ぐ! 「懲役十八年」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は加藤泰監督の「懲役十八年」に

 感謝を捧げようと思います。

東映任侠映画DVDコレクション 98号 (懲役十八年) [分冊百科] (DVD付) (東映任侠映画傑作DVDコレクション)
東映任侠映画DVDコレクション 98号 (懲役十八年) [分冊百科] (DVD付) (東映任侠映画傑作DVDコレクション)

 元海軍大尉「川田」と彼を取り巻く人々の

 運命を描いた本作は

 複数の時代性&武闘派性がせめぎ合う

 和製極道映画であります。

 第2次大戦前~大戦期の価値観と

 大戦後の価値観

 東映的暴力性と西洋映画的銃撃戦

 刑務所の日常と社会の日常がぶつかり合う

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「戦争&経済発展」がもたらすモラル崩壊

 時代&環境の変化が人間関係に与える影響

 暴力の世界に生きる人間の宿命を

 映画的に表現する試みと

 東洋的精神と西洋的活劇性による共同戦線の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (爽快感と哀愁が静かに交錯する

 決着→幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「極道+刑務所映画型戦後日本論」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 安藤昇東映初主演作にして

 任侠映画と西部劇の世界を融合がもたらす

 科学反応を世に示した資料的作品となる本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。