映画に感謝を捧ぐ! 「ファイアー・ファイター 炎のプライド」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアルノー・セリニャック監督の
「ファイアー・ファイター 炎のプライド」に感謝を捧げようと思います。
ファイアー・ファイター―炎のプライド― [DVD] - エマ・コルベッティ
南フランスで発生した山火事に立ち向かう
消防士達の運命を描いた本作は
災害映画史上屈指の「細切れ+肩すかし力」に
彩られた珍作であります。
災害映画の法則に沿って
複数人物の物語を交互に描きつつ
「山火事」へと集結させていく手法と
省エネ感溢れる災害描写が融合した
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「作劇的積載過多」と
思わせぶり的ストーリー展開によって
物語的迷宮へと誘われていく現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの装飾を纏い
消防士達の奮闘ぶりと放火の恐怖を掲げつつ
様々な問題を曖昧化する豪腕に圧倒される
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「倹約+ハッタリ型災害映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
山火事の恐怖、消防士達の思い、放火魔の暗躍を詰め込み
優等生的+その場しのぎ的に突き進むことによって
緩やかにして複雑なスリル&サスペンスに満ちた災害映画となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。