映画に感謝を捧ぐ! 「不倫する裸体」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はニギーナ・サイフルラーエワ監督の
「不倫する裸体」に感謝を捧げようと思います。
不倫する裸体 [DVD] - エフゲニア・グロモヴァ, アレクサンドル・パル, マリーナ・ヴァシリヴァ, アレクセイ・アグラノヴィチ, ニギーナ・サイフルラーエワ
産科医「レーナ」と彼女を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
挑発的にしてクールな愛憎劇であります。
夫への不信感から「患者の夫」との
不倫関係に溺れていく医師の姿を
ポルノ的セックス・シーンを盛り込みつつ
娯楽的盛り上げを抑制し、効率的に描いていく
ストーリー&演出は
私に「不倫劇」の王道を駆使して医療界を挑発する試みと
人生における「信頼関係維持&秘密保持」の難しさを
映画的に表現する試みの一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(不倫関係が公となった後も
淡々と生きるヒロインの姿を通じて
社会に多大な貢献を為しえる「特殊技能」を
持つことの重要性を説くかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ロシア製軽量級陰鬱系愛憎劇」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
医師と患者の危険な関係、夫婦関係の崩壊
妊婦に対して不誠実な態度を取る男を
夫として選んでしまった女の悲劇を
不気味なまでの静けさで写し出していく本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。