映画に感謝を捧ぐ! 「雨に濡れた欲情」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はカーティス・バーンハート監督の
「雨に濡れた欲情」に感謝を捧げようと思います。
雨に濡れた欲情 [DVD] - リタ・ヘイワース, ホセ・ファーラー, カーティス・バーンハート, サマセット・モーム, リタ・ヘイワース
ウィリアム・サマセット・モームの小説「雨」をもとにして
1953年に作られた本作は
文学を映画的に加工する手法の歴史を
象徴する作品であります。
複数回にわたって作られた映画版「雨」の流れを継承しつつ
カラー映像&ミュージカル要素を導入し
主演女優R・ヘイワーズの魅力を生かす方向へと
加工する事によって生を受けた
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「文学を映像作品化する試み」と
1950年代娯楽文化の歴史を
象徴する存在に接する機会をもたらしました。
(過去作に比べてポルノ風味を感じさせる邦題と
「陽気なハッピー・エンド」感溢れる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに、1950年代型「雨」の称号にふさわしい
作品であると言えるでしょう。
過去作の持つ「宗教性と人間味の対立」を精神を継承しつつ
大衆娯楽色の強い方向へと進んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。