映画に感謝を捧ぐ! 「イグアナの夜」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジョン・ヒューストン監督の「イグアナの夜」に

 感謝を捧げようと思います。

イグアナの夜 特別版 [DVD] - リチャード・バートン, デボラ・カー, エヴァ・ガードナー, スー・リオン, ジョン・ヒューストン
イグアナの夜 特別版 [DVD] - リチャード・バートン, デボラ・カー, エヴァ・ガードナー, スー・リオン, ジョン・ヒューストン

 テネシー・ウィリアムズの同名戯曲をもとにして作られた本作は

 陰鬱なる舞台風味と映画的小技に彩られた道中劇であります。

 詩情&舞台劇風味に満ち溢れた台詞の数々

 「外国旅行」の特性を有効活用する知略

 多彩な愛憎&狂気を題材とする過激さ&貪欲さ

 音楽&効果音の有効活用術

 サスペンス風映像技が一堂に会した

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「男性と女性、理性と野性、神と人間の関係」に

 関する一考察と

 「複雑怪奇化していく人間模様」を

 純文学+娯楽的に処理する妙技の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (癒し系映画と恋愛映画のハッピー・エンドを

 静かに組み合わせた幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「愛憎+宗教系道中劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 

 愛憎&狂気に支配されながらも

 段階的にスケールを抑制していくストーリー展開

 品格と妖しさを兼ね備えた俳優&女優陣

 素朴な風景&音楽が融合することによって生じる

 

 科学反応を見せてくれた本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。