映画に感謝を捧ぐ! 「商船テナシチー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジュリアン・デュヴィヴィエ監督の
「商船テナシチー」に感謝を捧げようと思います。
商船テナシチー [DVD] - アルベール・プレジャン, ユベール・プレリエ, マリー・グローリー, マディ・ベリー, ジュリアン・デュヴィヴィエ
カナダを目指して旅立った男2人の運命を描いた本作は
奇策的にして生真面目な恋愛劇であります。
「劇中で上映された映画の一場面から幕を開ける」
「船旅を描くと見せかけて、港町での恋模様に重きを置く」という大胆不敵さと
主人公コンビ&ヒロインと彼らを見守る人々の思いを
娯楽的盛り上げを抑制しつつ描いていく生真面目さを
兼ね備えたストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、舞台となる場所の特性を生かした恋愛劇作りと
渋味と効率性の均整を保った作劇法&映像技の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(男女3人の旅立ちを新天地への希望と哀愁を
絡ませながら静かに写し出す幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「宿場系恋愛劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
日常劇的ユーモア、恋愛劇的男女関係
冒険映画的装飾が一堂に会するという
離れ業を成し遂げた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。