映画に感謝を捧ぐ! 「永遠のガビー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマックス・オフュルス監督の
「永遠のガビー」に感謝を捧げようと思います。
永遠のガビー [DVD] - イザ・ミランダ, サルヴァトル・ゴッタ, マックス・オフュルス, イザ・ミランダ, ネリー・コラディ, メーモ・ベナッシ, ウバルド・アラータ, ダニエル・ダック
女優「ガビー・ドリオ」と彼女を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
軽快にして残酷な皮肉に彩られた
女優伝であります。
人々を引きつける魅力を有するが故に複数の男性&女性と
自分自身の運命を狂わせたヒロインの人生を
サスペンス、ロマンス、ホームドラマ、青春映画要素を融合させつつ
文学性と娯楽性、見せ場主義と効率性の均整を保ちながら
描いていくストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「人気商売、学園、上流社会」の秘めたる魔性と
強大すぎる長所が人生を崩壊させる規模の欠点と
なってしまう恐怖を映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(悲劇性とある種の解放感が交錯する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「無意識系悪女伝」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
本人の意図しない形で「悪女」となってしまった女性の悲劇
ショー・ビジネスに宿る危うさ&虚しさ
制御を失った「愛」がもたらす破滅を上品且つ軽快に写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。