映画に感謝を捧ぐ! 「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はローゼマイン・アフマン監督の
「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」に感謝を捧げようと思います。
ハリウッドがひれ伏した銀行マン [DVD] - フランズ・アフマン, アンニャ・アフマン, ローゼマイン・アフマン
銀行家「フランズ・アフマン」の生涯に関する
一部を記録した本作は
映画を経済的側面から見つめる
記録映像であります。
アメリカ&ヨーロッパの中小映画会社を
経済的に支援する事によって
映画界に変革をもたらすと同時に
1970~90年代における映画界の
栄枯盛衰を見つめ続けた人物の生き様を
人情味とクールさの均整を保ちながら
写し出していく映像&語り口は
私に「映画と金銭の関係」に関する一考察と
「ビジネスマン気質とアーティスト気質のせめぎ合い」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(魔性漂う過激作を世に送り続けることで名を成した
P・ヴァーボーヴェン監督が醸し出す「人情味」に
心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「映画経済史&中小映画会社史入門」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
家族の絆、投資家と映画業界人の絆
芸術性&資料性と娯楽性の絆によって生を受け
1970~90年代中小映画会社の栄光&悲劇
「制作委員会形式」の源流となるビジネス戦術の誕生
映画が「財政面を握る存在」の質に左右されるという真実を
世に知らしめる存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。