映画に感謝を捧ぐ! 「尊皇攘夷」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は池田富保監督の「尊皇攘夷」に

 感謝を捧げようと思います。

尊王攘夷 [DVD] - 山本嘉一, 池田富保
尊王攘夷 [DVD] - 山本嘉一, 池田富保

 江戸幕府大老井伊直弼」の生涯を

 もとにして作られた本作は

 娯楽性と史劇性がせめぎ合う

 実話系サイレント時代劇であります。

 「黒船来港」によってもたらされた

 日本史の転換点に立たされた人々の思いを

 娯楽時代劇的見せ場を押さえながら描いていく

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「歴史」を映画的に好ましい形へと編集し

 効率主義と見せ場主義

 娯楽映画的サービスと史劇的スケール感の両立を図る試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇的決着特有の「苦味」を緩和しようという

 配慮を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「江戸幕府末期&サイレント史劇入門」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 娯楽要素と歴史教材要素、活劇性と人情味を並び立たせることによって

 後年の映画&TVドラマに対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。