映画に感謝を捧ぐ! 「ぼくらの家路」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
「ぼくらの家路」に感謝を捧げようと思います。
母&弟と暮らす少年「ジャック」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
日常と冒険が絡み合う家族劇であります。
陰性の日常劇として幕を開けつつ道中劇へと転じていくストーリーと
娯楽的盛り上げを極限まで抑制したクールな演出が一体となる光景は
私に、童話的ムードと風刺的ムードを兼ね備えた作品世界と
大人社会の暗部が子供に与える影響を
映画的に表現する試みの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「新たなる人生」へと旅立つ兄弟の姿を静かに写し出す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性道中系家族劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
ヨーロッパ映画的渋味、風刺劇的メッセージ性
道中劇的スリル&サスペンスが絡み合いながら
家族との時間を取り戻すため危険な旅に挑んだ
少年の苦闘を描いていく本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。