映画に感謝を捧ぐ! 「先制攻撃」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はゾルタン・コルダ監督の「先制攻撃」に

 感謝を捧げようと思います。

先制攻撃 [DVD] - ポール・ムニ
先制攻撃 [DVD] - ポール・ムニ

 ソビエト(現ロシア)軍兵士「アレクセイ・クリコフ」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 巧妙なる「倹約的スリル&サスペンス」に彩られた

 戦争映画であります。

 閉鎖系ミステリー要素、スパイ戦要素、軍事アクション要素を

 ソビエト軍礼賛精神を融合させることによって生を受けた

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「スケール感」を段階的に縮小させる技法と

 戦争をアクション映画+探偵小説風に加工する試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (シリアスとユーモアを結ぶ絆を

 象徴するかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「空間限定型心理派戦争映画」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 予算&人員の節約、連合軍本位的目線、どんでん返し主義

 戦争映画的見せ場作りを共存させることに挑んだ本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。