映画に感謝を捧ぐ! 「快楽を貪る本能」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はルネ・ボリュー監督の

 「快楽を貪る本能」に感謝を捧げようと思います。

快楽を貪る本能 [DVD] - ブリジット・プパール, ヴァンサン・ルクレール, ナタリー・カベッツァリ, ローマン・ドゥニ, ノルマン・ダムール, ルネ・ボリュー
快楽を貪る本能 [DVD] - ブリジット・プパール, ヴァンサン・ルクレール, ナタリー・カベッツァリ, ローマン・ドゥニ, ノルマン・ダムール, ルネ・ボリュー

 大学教授「マリークレーン」と

 彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 狂気と音楽技法に彩られた愛憎劇であります。

 科学者的狂気と性的狂気、青春映画風味とホームドラマ風味が

 陰鬱に絡み合うストーリー&演出、キャラクター造形と

 お祭り感覚で煽り立てるような気配と

 上品さを兼ね備えた音楽が一体となる光景は

 私に「性的マッド・サイエンティスト」と

 親子を結ぶ心理的絆、男女の性意識的相違点

 セックスが肉体&精神に与える影響を

 映画的に表現する試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (奇襲性と性的ポジティブさに圧倒される

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰性ポルノ型セックス論」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 ポルノ的お色気、SF的マッド・サイエンティスト

 愛憎劇的男女関係、青春映画的世代間軋轢

 文学的語り口が絡み合いながら

 セックスに関する一考察を示した本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。