映画に感謝を捧ぐ! 「森の生活」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクリスティヨナス・ヴィルジューナス監督の
「森の生活」に感謝を捧げようと思います。
森で暮らす男と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
様々な映画特性が静かに融合する事によって
生を受けた日常劇であります。
娯楽映画技法と記録映像技法、童話風味と現実感
冒険映画要素と青春映画要素が
状況説明的描写を極限まで抑制しながら絡み合う
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に娯楽映画的サービスよりも
「純文学+童話的神秘性」を重んじる映像作品作りと
現実と幻想が独特のバランスで共存する作品世界の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(謎めいたメッセージ&雰囲気によって
鑑賞者の想像力を刺激しようとするかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「文学系自然派日常劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
「小説の挿絵」的映像美と
反説明&娯楽+肩すかし的作劇法によって
自然と共に生きる人々と
旅行感覚で自然に接する人々の姿を映し出す事によって
自然と人間の関係に関する一考察を示すかのような
気配を放つ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。