映画に感謝を捧ぐ! 「ラヴ・ハッピー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 

 今回はデヴィッド・ミラー監督の

 「ラヴ・ハッピー」に感謝を捧げようと思います。

ラヴ・ハッピー [DVD] - マルクス兄弟, デヴィッド・ミラー, マルクス兄弟, イロナ・マッセイ, ヴェラ・エレン, マリオン・ハットン, レイモンド・バー, マリリン・モンロー
ラヴ・ハッピー [DVD] - マルクス兄弟, デヴィッド・ミラー, マルクス兄弟, イロナ・マッセイ, ヴェラ・エレン, マリオン・ハットン, レイモンド・バー, マリリン・モンロー

 ロマノフ王朝のダイヤを巡る珍騒動を描いた本作は

 

 堅実にして実験的なドタバタ喜劇であります。

 巻き込まれ映画+恋愛喜劇の王道と

 マルクス3兄弟の持ち味を並び立たせようとする堅実さと

 「サイレント喜劇的行動+華麗なる音楽芸によって

 周辺人物を翻弄し続けた次男ハーポを物語の中心に据える」

 「三男グルーチョ語り部に据え

 最終局面まで兄2人と絡み合わせない」という

 実験精神を兼ね備えた

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「スター主義」を維持しつつ奇策的試みを行う妙技と

 探偵小説とラブ・コメディによるせめぎ合いの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (肩すかし的でありながらも心和まされる

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「実験型巻き込まれサスペンス喜劇」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 壮絶なる持ち芸によってアメリカ喜劇映画史を駆け抜けた

 マルクス3兄弟の最終章となる本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。