映画に感謝を捧ぐ! 「ジェニイの家」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はマルセル・カルネ監督の

 「ジェニイの家」に感謝を捧げようと思います。

ジェニイの家《IVC BEST SELECTION》 [DVD] - フランソワーズ・ロゼー, アルベール・プレジャン, マルセル・カルネ
ジェニイの家《IVC BEST SELECTION》 [DVD] - フランソワーズ・ロゼー, アルベール・プレジャン, マルセル・カルネ

 ナイトクラブ経営者「ジェニイ」と

 彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 様々な感情&技術が交錯する恋愛劇であります。

 親子愛、男女の愛、仕事に対する複雑な思い

 性的欲求、ビジネス的判断、男のプライド&友情が

 

 せめぎ合うストーリー&キャラクター造形と

 アクション、サスペンス、ロマンスの技法を

 状況に応じて使い分ける演出が一体となる光景は

 私に「愛」の持つ複雑さ&危うさと

 秘密を抱えながら生きることの哀しさ&過酷さを

 映画的に表現する試みの一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (哀しみと不屈が静かに交錯する

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「日常劇+極道映画型愛情論」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 奔放な振る舞いの中に繊細さを宿すヒロイン&娘と

 二人に魅了された男たちの複雑な生き様&思いを

 娯楽性と上品さの均整を保ちながら写し出す本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。