映画に感謝を捧ぐ! 「実録忠臣蔵」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はマキノ省三監督の「実録忠臣蔵」に

 感謝を捧げようと思います。

実録忠臣蔵 [DVD] - 伊井蓉峰, マキノ省三
実録忠臣蔵 [DVD] - 伊井蓉峰, マキノ省三

 実話系講談「忠臣蔵」をもとにして

 1928年に作られた本作は

 実話系時代劇映画史上屈指の「執念」を

 感じさせる一作であります。

 「忠臣蔵」における最重要級の見せ場を

 つなぎ合わせることによって生成された

 ストーリー&演出は

 私に過酷な環境下で映画供給を続ける

 人々の闘志&技術力と

 見せ場主義の極限に達することによって

 日本史上屈指の仇討ちが

 「ブラック・ユーモア的悲劇」へと変異する現象の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (後日談となる部分の消失によって

 勧善懲悪の爽快感を維持した幕切れと

 なっている点も見逃せません。)

 まさに「軽量級忠臣蔵」の究極形態と

 呼ぶにふさわしい歴史資料的作品であると言えるでしょう。

 編集作業中の事故による「映像消失」に屈せず

 生き残った映像をつなぎ合わせて映画版忠臣蔵

 作り上げることによって

 忠臣蔵に潜む「不条理性」を世に示す作品の一つとなった本作と

 

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。