映画に感謝を捧ぐ! 「ショート・ターム」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はデスティン・ダニエル・クレットン監督の
「ショート・ターム」に感謝を捧げようと思います。
ショート・ターム [DVD] - ブリー・ラーソン, ジョン・ギャラガー・Jr, ケイトリン・デヴァー, ラミ・マレック, キース・スタンフィールド, デスティン・ダニエル・クレットン
同監督による2009年の映画「Short Term12」を
もとにして作られた本作は
人情味と過激さが独特のバランスで並び立つ日常劇であります。
劣悪な家庭環境が生んだトラウマに心身を蝕まれながらも
大人社会の暗部に翻弄される子供たちを守ろうとする
女性職員と仲間たちの日々を
青春映画、恋愛劇、家族劇の特性を交錯させつつ
技巧的且つ穏やかに描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「サスペンス技法」を人情劇的に活用する手法と
人生における「家庭環境」の重要性と
精神医療の難しさを映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(万事解決のハッピー・エンドに背を向けつつも
静かなる希望&生命力に包まれた
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「青春映画+日常劇型社会&家族論」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
娯楽的盛り上げ&感動誘発を極限まで抑制し
文学的渋味、風刺劇的メッセージ性
群像劇的作劇法に重きを置きながら
子供&大人の光と闇に迫る本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。