映画に感謝を捧ぐ! 「ブランカとギター弾き」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は長谷井宏紀監督の
「ブランカとギター弾き」に感謝を捧げようと思います。
ブランカとギター弾き [DVD] - サイデル・ガブテロ, ピーター・ミラリ, ジョマル・ビスヨ, レイモンド・カマチョ, 長谷井宏紀
3万ペソで母親を買おうとする少女「ブランカ」と
盲目のギター弾き「ピーター」の運命を描いた本作は
和やかさと危うさが交錯する人情劇であります。
極道的な世界で暮らす少女と老人の2人旅を
スリル&サスペンス、ユーモア、挿入歌を
絡み合わせながら軽快且つ静かに描いていく
ストーリー&演出は
私に「大人社会」の暗部が子供に与える悪影響と
文化と人生を結ぶ絆を映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(豪快さと緩やかさを兼ね備えたハッピー・エンドが
心地良い幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級極道+道中系ホームドラマ」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
子供&障害者に対して冷酷な世界で生きながらも
陽気さ&生命力を失わない主人公一行と
穏やかな荒廃感を感じさせる風景&周辺人物の姿が
極道映画とホームドラマがせめぎ合うかのような気配を放つ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。