映画に感謝を捧ぐ! 「暁の偵察(1930年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はハワード・ホークス監督の「暁の偵察(1930年版)」に
感謝を捧げようと思います。
暁の偵察 [DVD] - リチャード・バーセルメス, ダグラス・フェアバンクス・ジュニア, ハワード・ホークス, ハワード・ホークス, ハワード・ホークス, リチャード・バーセルメス
第1次大戦期の西部戦線で任務を行う
イギリス軍飛行隊の運命を描いた本作は
H・ホークス監督ならではの空&男の絆への
こだわりを前面に出しつつ
武勇伝要素&ロマンスに背を向けることによって
活劇性と苦味が混ざり合う存在となった戦争映画であります。
映像技&特殊効果を駆使した戦闘描写と
イギリス軍礼賛要素を極限まで抑制し
人間模様重視で進行する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「戦争」が日常化した男たちの心理
現場と上層部を隔てる精神的壁、人情と掟のせめぎ合いを
一定の活劇的見せ場を保ちつつ描いていく試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(武勇伝的ハッピー・エンドと戦争の非情さを示す
メッセージが静かに交錯するかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「空戦系人情派戦争映画入門」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
冒険映画と任侠映画の特性が融合させたかのような
手法によってスリル&サスペンスと反戦メッセージを
並び立たせた映像&物語によって
後年の戦争映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。