映画に感謝を捧ぐ! 「膝射ちサム」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はレスリー・セランダー監督の
「膝射ちサム」に感謝を捧げようと思います。
弟の仇を捜す男「ジョン・サンズ」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
和やかなる武闘派性に彩られた西部劇であります。
復讐のために平穏な人生を捨て
闘いに身を投じる男を題材とし
西部劇的銃撃戦&肉弾戦をふんだんに用いながらも
緩やかに進行するストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「銃+暴力」に関わる人間の持つ本能&宿命を
西部劇的に表現する試みと
娯楽的見せ場を的確に押さえつつ
効率性を保ち続ける作劇法&映像技の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(罪を償う為に旅立つ主人公の姿を
ハッピー・エンド風に描写することによって
勧善懲悪の爽快感を維持しつつ
暴力礼賛を抑制しようとするかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陽性復讐系西部劇」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
「強者」であるが故のマイペースぶりを発揮する主人公
凶悪な本性を覆い隠し、紳士の装飾を纏い続ける敵将
主のクールさに苛立ち、暴力的解決を求める敵兵達の姿を
暇つぶし西部劇的ハッタリ&サービス精神全開で写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。