映画に感謝を捧ぐ! 「晩餐に来た男」 

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はウィリアム・キーリー監督の

 「晩餐に来た男」に感謝を捧げようと思います。

 

 モス・ハート&ジョージ・S・カウフマンによる

 戯曲の一つをもとにして作られた本作は

 空間的堅実さと話術的豪快さを

 兼ね備えたドタバタ喜劇であります。

 不慮の事故によって療養生活を強いられた大作家の

 やりたい放題ぶりに翻弄される人々の姿を

 物語の大半を「家の中」で進行させる堅実さと

 壮絶なる言葉のアクションを披露する豪快さで

 描いていくストーリー&演出は

 私に「空間的制約」を話術で補う手法と

 陰鬱な状況設定をユーモラスに加工する妙技の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (和やかさと悲劇性が独特のバランスで共存する

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「空間限定型イベント系ドタバタ喜劇」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 巻き込まれサスペンス、愛憎劇、ホームドラマ

 クリスマスを詰め込み、喜劇的加工を施した後

 動作によるユーモアと言葉によるユーモア

 舞台劇要素と映画要素を絡み合わせながら

 物語&映像を進行させていくことに挑んだ本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。