映画に感謝を捧ぐ! 「獅子王たちの夏」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は高橋伴明監督の

 「獅子王たちの夏」に感謝を捧げようと思います。
  

 獅子座生まれの暴力団構成員

 「松永勝&古田修」の運命を描いた本作は

 静かなる哀愁&因縁に彩られた極道映画であります。

 緩やかな極道人生を生きる男と

 妻子を愛しながらも武闘派的な極道人生を生きる男が

 極道組織間抗争によって変化を遂げていく姿を

 アクション映画的軽妙さを抑制した

 渋味&残酷性の利いた暴力描写を挟みながら

 交互に描いていくという試みによって生を受けた

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「愛&安らぎ」と出会いながらも

 極道に染まった生き様を捨てられない男たちの哀愁を

 映画的に表現する手法と

 日常劇要素と犯罪映画要素によるせめぎ合いの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「明日に向かって撃て!」の流れを汲む映像&音響技を駆使して
 
 組織の思惑に翻弄され、宿敵との決着に取り憑かれた結果

 愛を見失った男の悲劇を写し出すかのような幕切れと

 なっている点も見逃せません。)

 まさに「和製青春+日常系極道映画」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 青春映画+日常劇的人間模様と極道映画的暴力を混ぜ合わせながら

 極道的日常に魅入られ、破滅への道へと堕ちていく

 人間の狂気&悲哀を写し出す本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。