映画に感謝を捧ぐ! 「スコルピオン テロ組織制圧指令」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はムフリサ・アジゾヴァ監督の
「スコルピオン テロリスト制圧指令」に
感謝を捧げようと思います。
テロ組織の一員となった弟を追う男
「ティムール・サリエフ」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
暗き葛藤に彩られた
ウズベキスタン製テロ対策映画であります。
テロ組織とテロ対策班、家族愛と任務
静かにせめぎ合うストーリー&演出、キャラクター造形が
私にテロ対策映画の王道に即しつつ
「ウズベキスタン」の特性を世に知らしめる試みと
単純な物語を複雑に描写する技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(アクション映画的決着&ハッピー・エンドに背を向けて
家族の死によって狂気に取り憑かれた男と
彼を自らの分身と位置づけ、救いたいと願う男の哀しき末路を
暗示する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰鬱系テロ対策映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
アメリカ流テロ対策映画&東洋流極道映画の流れを汲みつつも
淡々と進行していく物語&映像が
大国の暗部&国際テロに翻弄される
ウズベキスタンの悲劇を娯楽+文学的に写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。