映画に感謝を捧ぐ! 「砲煙と薔薇」 

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はリチャード・ポレスラウスキー監督の

 「砲煙と薔薇」に感謝を捧げようと思います。

 

 北軍のスパイとなった女性「ラブレス」と

 南軍大尉「ギラード」の運命を描いた本作は

 壮絶なる緩やか&軽やかさで進行する戦争映画であります。

 南北戦争下で暗躍するスパイ達の戦いを題材としつつ

 西部劇的アクション、スパイ活劇的スリル&サスペンス

 ミュージカル的挿入歌、恋愛劇的男女関係を融合させる事によって

 生を受けたストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「アメリカ映画的サービス精神」の限りを尽くしつつ

 暴力的な部分を緩めにした戦争映画作りと
 
 過剰なまでに変化し続ける情勢が「笑い所」の領域に到達する現象の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (戦争映画史上屈指の「豪腕的なハッピー・エンド」を通じて

 アメリカ史における新たなる一歩を写し出すかのような

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「スパイ恋愛活劇系戦争映画」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 非情なる諜報戦に挑むスパイ、過酷な戦線を進む軍人達

 戦争に翻弄される民間人達と

 和やかな恋愛模様を繰り広げるヒロイン&中尉の温度差が
 
 他の戦争映画とは一味違う「皮肉の香り」を放つ本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。