映画に感謝を捧ぐ! 「スプートニク(2020年版)
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエゴール・アブラメンコ監督の
「スプートニク(2020年版)」に感謝を捧げようと思います。
事故によって心身を病んだ宇宙飛行士と
彼を治療するために呼ばれた精神医の
運命を描いた本作は
様々な本能&交流に彩られたSF映画であります。
生存本能の赴くままに人体に寄生し
恐怖がもたらす物質を喰らい続けるエイリアン
力に対する欲求の赴くままにエイリアンの兵器化を目論む軍人
エイリアンの「宿主」となった宇宙飛行士
軍人の思惑&地球外の脅威にさらされた男を
救おうとする女医が織りなす「危険な交流」を
サスペンス、アクション、SF、ホラーの技法を
使い分けながら描いていくストーリー&演出は
私に「野性的モンスターと狂信者的モンスターのせめぎ合い」と
サクセス・ストーリー+心理サスペンス的モンスター映画作りの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(生物としての本能に抗ってでも、呪われた縁を断ち切り
心を通わせた人間を救おうとする男の姿に
感動と哀愁を禁じ得ない「決着の付け方」となっている点も見逃せません。)
まさに「成長&葛藤型エイリアン系SF」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
ロシア映画文化と西洋映画文化
閉鎖系サスペンス技法とモンスター映画技法
人間的良心と軍事的思惑が陰鬱且つ凶暴にぶつかり合う本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。