映画に感謝を捧ぐ! 「画家と庭師とカンパーニュ」 

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジャン・ベッケル監督の

 「画家と庭師とカンパーニュ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 画家「キャンバス」と庭師「ジャルダン」の運命を描いた本作は

 静かなる技巧&文学性に包まれた日常劇であります。

 難病映画要素、家族劇要素、人生訓、芸術論要素を融合させ

 風景美、舞台劇的台詞、回想描写を駆使しながら

 男2人の交流を静かに描いていく

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「会話」主導で物語を進行させつつ

 説明過多&ストーリー展開の緩慢化を抑制する技法と

 人生に宿る「物語の種子」を生かした作劇法の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇の中にあっても明るさ&優しさを失うまいとする姿に

 心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「絵画+文学系日常劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 絵画的映像美、文学的渋味、庶民的人間模様

 サスペンス的技術が静かに交錯する本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。