映画に感謝を捧ぐ! 「ミスティック・リバー」
映画感謝人GHMです。
今回はクリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」に
感謝を捧げようと思います。
デニス・ルヘインの同名小説をもとにして作られた本作は
他の犯罪サスペンス映画とは異なる視点を持った作品であります。
客観的に見れば「単純」に写る殺人事件が
「愛と疑心によって制御を失った主観」によって複雑怪奇な状況となっていく姿を
怪奇映画的な表現法・叙情的な音楽
俳優・女優陣の静かなる熱演によって描くという試みは
私に「犯罪の心理的影響」・「人生の不条理性」・「愛情に潜む暗黒面」を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(すべての罪に「法の制裁」を加えようとしない終幕が
「暴力の空虚」をより鮮明に写しだしている点も見逃せません。)
まさに「文学系サスペンス映画」と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
犯罪捜査のスリルやどんでん返しの驚きよりも
「事件」によって変化していく人間の姿に重きを置いた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。