映画に感謝を捧ぐ! 「白い肌の異常な夜」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はドン・シーゲル監督の「白い肌の異常な夜」に
感謝を捧げようと思います。
トーマス・カリナンの小説「欺かれた人々」を
もとにして作られた本作は
アメリカ南部&萌え作品の暗黒面と閉鎖空間における人間心理を
えぐり出す怪作であります。
外界との交流を抑制し、独自のルールを形成する事によって
平和を維持してきた「女性たちの楽園」が
一人の侵入者によって揺らいでいく光景を
ポルノ的エロティシズム・怪奇映画的表現法・心の声&回想場面を
操りながら描くという試みは
私に「巻き込まれサスペンス」の王道を逆転させる事によって生じる
陰性のスリルと
甘さと醜悪さを兼ね備えた「心理戦」の醍醐味に触れる機会をもたらしました。
(説教臭を感じさせることなく
人種差別&先入観の恐怖に言及している点
「活劇的ヒーロー」で名を成した俳優
C・イーストウッド氏のモンスター的怪演
残酷でありながらも穏やかな空気を放つ幕切れが
作品のブラック・ユーモア性&サスペンスを高めている点も見逃せません。)
まさに「ハーレム系萌えアニメ」と「巻き込まれサスペンス」が
結婚することによって生を受けた愛憎劇であると言えるでしょう。
男性色溢れる作品を得意とする
D・シーゲル監督&C・イーストウッドの名コンビが
女性色溢れる作品に挑むチャレンジ精神に圧倒させる本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。