映画に感謝を捧ぐ! 「ロックアップ(2018年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエリク・サラゴザ監督の「ロックアップ(2018年版)」に
感謝を捧げようと思います。
宇宙監獄を乗っ取ったテロリスト6人に立ち向かう
男女4人の運命を描いた本作は
テロ対策映画史上屈指の「暴力的な知略」に彩られた珍作であります。
情報過多+どんでん返し主義によるストーリーの混乱を
SF+刑務所映画的装飾、テロリスト級の凶悪さを持つ主人公
過剰なまでに武術&残酷趣味的な暴力描写によって
補うという試みは
私に「豪腕によって論理をねじ伏せる」作劇法
アクション要素とSF要素のせめぎ合い
限定された空間+少数の登場人物で
スリル&サスペンスを生成する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(様々な問題要素から目を背け
「目先の勝利&生還」を喜ぼうとする幕切れが
アメリカ映画的ハッピー・エンドに対する「無意識の皮肉」と
なっている点も見逃せません。)
まさに「武闘派宇宙系SF」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
様々な思わせぶりを多用しつつ
腕力&凶暴性の赴くままに突き進むストーリー展開の中で
ヒーローと悪漢を「紙一重の存在」として描く大胆さが光る本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。