映画に感謝を捧ぐ! 「小さな誘拐犯(1953年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフィリップ・リーコック監督の
「小さな誘拐犯(1953年版)」に
感謝を捧げようと思います。
両親を失い、祖父の元で暮らすことになった兄弟
「ハリー&デービット」と彼らを取り巻く人々の
運命を描いた本作は
娯楽性と風刺性がせめぎ合う家族劇であります。
戦争の傷跡&挫折感によって心を病んだ大人たちが
幼い兄弟との出会いによって変化していく姿を
娯楽的スリル&サスペンス+ユーモアと
社会派的メッセージの均整を保ちながら
描いていくストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、日常劇要素と反戦&反人種差別要素による共同戦線と
人生の持つ冒険性+環境と人間性の関係を
ホームドラマ的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(和やかでありながらも威厳を感じさせる
ハッピー・エンドとなっている点も見逃せません。)
まさに「家族劇型カナダ史講座+人生訓」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
西部劇、人情劇、恋愛悲劇、冒険劇の
持ち味が絶妙のバランスで配合された本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。