映画に感謝を捧ぐ! 「タイム・シーカー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はマリオ・アゾパルディ監督の「タイム・シーカー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 新聞記者「トム・メリック」と彼を取り巻く人々の

 運命を描いた本作は

 活劇的サービス精神と皮肉に彩られた

 時間旅行系SFであります。

 テロ対策映画、災害映画、時間旅行系SFの王道と

 災害報道&歴史研究に潜む

 「他者の悲劇を覗き見ようとする本能」に対する皮肉を

 組み合わせることによって生を受けた

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「テクノロジーの発展」が人間に与える負の影響と

 探求心&知的好奇心に宿る魔性を

 映画的に表現する試みの一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (アクション映画的ハッピー・エンドの後に

 「問題の源」が放置されたままであることを写し出す幕切れを通じて

 アメリカ映画的ハッピー・エンド信仰をからかいつつ

 テクノロジーの発展と大衆的発想が融合するによって生じる

 科学反応を世に示した作品であるという点も見逃せません。)

 まさに「アクション+ブラック・ユーモア系SF」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 軽量感溢れるアクション・シーンと

 マスコミ、エンターテインメント、科学に対する

 大胆不敵な風刺を共有する本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。