映画に感謝を捧ぐ! 「僕の彼女はどこ?」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はダグラス・サーク監督の
「僕の彼女はどこ?」に感謝を捧げようと思います。
富豪「サム・フルトン」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
和やかで鋭い皮肉に彩られたドタバタ喜劇であります。
ホームドラマ、恋愛喜劇、ミュージカル
サスペンスの手法を使い分けながら
「富」に翻弄され、自分を見失っていく人々への
警鐘を発するという試みによって
生を受けたストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、娯楽映画的サービス精神と
風刺精神が独特のバランスで共存する光景と
急激な環境の変化が人心に与える悪影響を
世に示す手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(喜劇における王道の一つ「一般人に扮する金持ち&権力者」に
ありがちな結末に向かうと見せかけて
肩すかしを食わせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「喜劇系人生&金銭論」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
純真な男の「善意」によって周辺状況が悪化していく悲劇を
喜劇風味全開で描くことによって
華やかさと滑稽さ&虚しさを結ぶ縁と
人生の神秘性を世に示した本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。